
講談社のヤングマガジンで連載中の漫画「大怪獣ゲァーチマ」。7月には単行本第6巻が刊行されました。さらには英語版とフランス語版も出版されるなど海外でも人気が広がっています。作者は新潟県在住のKENTさん。怪獣名の「ゲァーチマ」も実は新潟弁だった!? KENTさんに命名の理由や、作品に込めた“特撮愛”について聞きました!(聞き手・論説編集委員 横山志保)
「大怪獣ゲァーチマ」あらすじ 海から突如怪獣が出現したことによる大波で被災した新潟県匡波(すくば)町。その場で活動を停止した怪獣は海に溶けて魚介類の栄養素となり、町の復興につながった。この町に住む少女杜野宮矢子が作ったその怪獣「ゲァーチマ」の人形も土産物として人気を博す。しかし、復興した町に10年ぶりに怪獣が姿を現した。町を襲う怪獣と闘うのは宮矢子が心通わせる「ゲァーチマ」(2代目)。その闘いの行く末は?
怪獣名は新潟弁、キャラ名は宮城由来

――「ゲァーチマ」は印象に残る名前ですね。
【KENTさん】
新潟の方言で「オタマジャクシ」のことを言うそうです。ネットで検索して見つけました。「ウルトラマン」に出てくる「ジラース」などの怪獣の名前は、脚本家で沖縄県出身の金城哲夫さんが沖縄方言からとったというエピソードがあって、自分も新潟の方言から名付けたいなと思いました。
新潟出身ではないので、ネットでいろいろ調べていたら、オタマジャクシを「げぁーちま」と言う、というのが出てきたんです。これだ、と思いました。
でも、実際にこの言葉を使っている新潟の人に出会ったことはないんです。
――私も初めて聞いた新潟弁です。ほかに登場する怪獣「ヨーボヤー」は、魚のサケを意味する新潟弁の「いよぼや」からですよね?...
残り2198文字(全文:2702文字)