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左:渡邉太地《Space#37》Oil on canvas/W1780×H1175mm/2025 右:《liminal paint_Crystal Palace#2》 W1167×H657×D50mm/2025
銀座 蔦屋書店(東京都 中央区 GINZA SIX 6F)では、店内アートスペースFOAM CONTEMPORARYにて、アーティスト菅雄嗣と渡邉太地による二人展「Deja vu」を2025年10月11日(土)~10月29日(水)に開催します。
特集ページ|https://store.tsite.jp/ginza/event/art/50263-1531151002.html
概要
本展では、1851年世界初の万博会場としてロンドンに建設され、当時としては革新的な技術とスケールを誇った「クリスタル・パレス」を共通のモチーフとした作品を、会場内をふたつに仕切り、それぞれ独立した空間に展示します。菅は、産業革命の象徴とされたクリスタル・パレスを、人の不在や時間の経過によって、日常的な場所でありながら境界的な性質を持った空間「リミナルスペース」の起源と捉え、建造物の“内側”を描きます。一方で渡邉は、かつて訪れたロンドンの記憶を手がかりに、菅の描くクリスタル・パレスの“外側”を抽象的なイメージとして描き出します。色彩や構図の呼応や、具象と抽象の対比、シンメトリックな要素を含んだ作品群は、鑑賞者に「どこかで見たような」感覚を呼び起こし、記憶や体験を揺さぶります。
菅雄嗣は、「境界を越えること」をテーマにした絵画とインスタレーションを手掛けています。絵画では、絵具を塗るだけでなく削るという操作が施されており、鏡面のような質感や反転する構図が、視点や光の変化によって多様な印象を生み出します。近年は「リミナルスペース」に注目し、現実と虚構が交錯する場を創出しています。
渡邉太地は、絵画を「空間をひらく装置」と捉え、「どこでも窓」というテーマのもと、抽象的な風景画を制作しています。窓というフレームを通して、目に見える景色にとどまらず、その場に漂う気配や、身体を通して感じるエネルギーまでも表現しています。
展覧会に寄せて(文化研究者山本浩貴)
いずれも絵画を中心に制作する美術家・菅雄嗣と渡邉太地の二人展は、「デジャブ(既視感)」がテーマである。「二人展」と銘打ってはいるが、本展は実質的に個展の組み合わせで構成され、二分割された空間には、類似のモチーフや色彩を含む菅と渡邉の作品が展示される。
つまり、個展とも二人展とも言いがたい構造をしている。本展における共通のインスピレーション源は「クリスタル・パレス(水晶宮)」である。1851年のロンドン万博の会場であったが、今日では現存しない建造物の名だ。菅は、鏡面のように加工されたキャンバスをネガとポジのように分割する絵画を通じて、存在と不在のはざまで揺らぎ、それゆえに不気味さをたたえる「リミナル・スペース(境界の空間)」を探求してきた。本展で、菅はクリスタル・パレスをリミナル・スペースの「起源」と捉え、そのイメージを起点に新作を展開する。一方、渡邉は絵画を可動的な「窓」とみなし、そのフレームが捕捉する「景色」を前景化する。渡邉が提示するイメージは一見すると抽象的だが、そこに充溢する具体的な磁場の表象である。本展では、かつてクリスタル・パレスが建っていた場所を訪れた記憶を頼りに、渡邉は、そこに流れるエネルギーを絵画のなかで再現前化する。菅が描く過去のクリスタル・パレス(の建物)の外に飛び出すと、渡邉が描く現在のクリスタル・パレス(の跡地)の光景が眼前に広がるようだ。両者は時を超えて接続している。
アーティストプロフィール
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菅 雄嗣/ Yushi Suga
1988年 長崎県生まれ
2014年 東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻卒業
2017年 東京藝術大学大学院美術研究科修士課程油画専攻修了
主な個展
2023年 「liminal」MAHO KUBOTA GALLERY(東京)
2017年 「Scraped painting」WHITESPACE ONE(福岡)
主なグループ展
2025年 「The Vase」Wall altanative(東京)
2025年 「In the mood of longing」BLANKgalery(上海)
2025年 「時のかたち」YUGEN Galery(東京)
2024年 「三ピン展」PW/GALLERY(長崎)
2024年 「メニスル」、Tokyo art and space(東京)
2022年 「SUMMER SHOW」MAHO KUBOTA GALLERY(東京)
2022年 「Day dream」ISETAN SALONE(東京)
2021年 「Mind Sights」MAHO KUBOTA GALLERY(東京)
2020年 「Tokyo 2X2X」MAHO KUBOTA GALLERY(東京)
2019年 「Travelers」MAHO KUBOTA GALLERY(東京)
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渡邉太地/Taichi Watanabe
1997年 東京生まれ
東京藝術大学大学院美術研究科修士課程油画第一研究室修了
主な個展
2025年 「Field」 I gallery Osaka(大阪)
2024年 「TWO SPACES」 INHERIT GALLERY, OFO by INHERIT GALLERY(2会場同時開催/東京)
2023年 「Beyond clouds」 OIL by 美術手帖ギャラリー(東京)
2022年 「in and out」 CAGE GALLERY(東京)
2022年 「Where I want.」 INHERIT GALLERY(東京)
主なグループ展
2025年 「Out of dairy」 curated by hidden champion, SAI(東京)
2024年 「都市と自然 / Urban and Nature」 OIL by 美術手帖ギャラリー(東京)
2023年 「Scenery」 Marco gallery(大阪)
販売について
会場展示作品は、 10月11日(土)11:00より販売開始。
アートのECプラットフォーム「OIL」では、10月14日(火)~10月29日(水)の期間に販売します。
https://oil.bijutsutecho.com/gallery/730
展示詳細
菅雄嗣(Yushi Suga)×渡邉太地(Taichi Watanabe)「Deja vu」
会期|2025年10月11日(土)~10月29日(水)
時間|11:00~19:00 ※最終日は18:00までとなります。
※10月11日(土)は、アーティスト在廊予定。
定休日|月曜日(※祝日10月13日も含む)
会場|銀座 蔦屋書店 FOAM CONTEMPORARY
入場|無料
主催|銀座 蔦屋書店
協力|MAHO KUBOTA GALLERY
特集ページ|https://store.tsite.jp/ginza/event/art/50263-1531151002.html
FOAM CONTEMPORARY
柔軟な企画内容をイメージする〈液体(LIQUID)〉と、従来のホワイトキューブとしての設備を完備した空間〈個体(SOLID)〉を掛け合わせ、中間的な様態“FOAM”という名のもと、⽇本のアートシーンを多⾓的に映し出す表現空間。
時代のアクチュアリティーに寄り添いながら、ライフサイクルを超えたところにあるアートの価値や醍醐味を探求、醸成する表現空間として、キャリアや年齢を問わず注⽬すべき様々なアーティストを紹介していきます。
Instagram|https://www.instagram.com/foamcontemporary/
銀座 蔦屋書店
本を介してアートと⽇本⽂化と暮らしをつなぎ、「アートのある暮らし」を提案します。
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CCCアートラボ
CCCアートラボは、企画会社カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社の中で「アートがある生活」の提案をする企画集団です。わたしたちは「アートがある生活」の提案を通じて、アートを身近にし、誰かの人生をより幸せにすること、より良い社会をつくることに貢献したいと考えています。これまで行ってきた、店舗企画やアートメディア、商品開発やイベントプロデュースなど、長年の実業経験を通して培った知見をもとに、わたしたちだからできるアプローチで企画提案をします。
https://www.ccc-artlab.jp/
本件に関するお問合わせ先
カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社
CCCアートラボ事業部 広報担当:⽊下
メールアドレス:cccal.dm@ccc.co.jp