水俣病特別措置法に基づく救済策で対象外となった人たちが国などに損害賠償を求めた訴訟の判決で請求が棄却され、熊本地裁前で「不当判決」を訴える原告側の弁護士ら=3月22日午前、熊本市
水俣病特別措置法に基づく救済策で対象外となった人たちが国などに損害賠償を求めた訴訟の判決で請求が棄却され、熊本地裁前で「不当判決」を訴える原告側の弁護士ら=3月22日午前、熊本市

 2009年施行の水俣病特別措置法2004年の水俣病関西訴訟で最高裁が従来の患者認定基準より広く被害を認め、各地で提訴が相次いだことを受けた、新たな救済立法。09年7月8日に成立し7月15日に施行された。救済対象と判断した被害者に、一時金210万円や療養費を支給するとした。ただ、原則として患者多発地域で一定の居住歴がある人に限られ、出生時期も制約が設けられた。10年5月に申請受付が始まり、12年7月末に打ち切られるまでに新潟と熊本、鹿児島の3県で計約4万8千人が申請したが、うち約2割は対象から外れた。に基づく救済策の対象外となった144人が水俣病熊本県水俣市のチッソ水俣工場から不知火海(八代海)に流された排水に、毒性の強いメチル水銀が含まれ、汚染された魚介類を食べた住民らに手足のしびれや感覚障害、視野狭窄(きょうさく)といった症状が相次いだ。1956年に公式に確認され、68年に国が公害と認定した。ページ下部に詳しい用語解説あり。の典型的症状を訴え、国と熊本県、原因企業チッソに損害賠償を求めた訴訟の判決で、熊本地裁は3月22日、請求を棄却した。25人の罹患(りかん)を認めたが、...

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