
「どうせ世界は終わるけど」
100年後に小惑星が地球に衝突し、人類は滅亡する。それを知ったとき、私たちはどうするのか。本書はそのような思考実験としても読める連作短編集。読後に気が付くのは、人はもともと「どうせ死ぬ」のに生きているという当たり前の事実。いつか終わることが分かっている人生をなぜ、どう生きるのか。読者は、そんな哲学的な問いを投げかけられる。
直径22キロの小惑星・通称ホープが約100年後に米国大陸の西海岸付近に落下し、人類は絶滅を余儀なくされる。最悪の事態を避けようと世界各国が対策を練るが衝突は避けられそうにない…。収録の6話は全て、そうしたニュースが駆け巡った後の世界に生きる人々を描く。
「どうせ世界は終わ...
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