「土地の歴史やそこで繰り広げられる人間の行いを、時代を超えて見つめ続ける架空の存在から見た世界を表現している」と話す藤倉麻子さん
 「土地の歴史やそこで繰り広げられる人間の行いを、時代を超えて見つめ続ける架空の存在から見た世界を表現している」と話す藤倉麻子さん
 「土地の歴史やそこで繰り広げられる人間の行いを、時代を超えて見つめ続ける架空の存在から見た世界を表現している」と話す藤倉麻子さん
 映像インスタレーション「インパクト・トラッカー」を背にする藤倉麻子さん

 「見慣れた風景から楽園を想起させられたらいい」。アーティストの藤倉麻子さんが東京・六本木の森美術館の「マシン・ラブ」展に出展した作品は、見る者を不思議な世界に誘う。

 砂漠のような大地に、色鮮やかな大型投光器や高速道路が次々に現れる。大型スクリーンで流れる3DCGの映像は、無機質な風景を映し出す一方、ヤシの木が登場し、のんびりした雰囲気が漂う。

 作品を制作したきっかけは、創作活動で青森県の下北半島を訪れた際、六ケ所村で巨大な核燃料サイクル施設が建つ風景に衝撃を受けたことだった。「都市部の人々は、自分たちの生活を維持するために、遠く離れた土地を占有して、その地域の未来を決めていることに気づいてい...

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