三谷幸喜さん。「今まで太宰治はかっこよく描かれ過ぎているから、僕のイメージする本当の太宰、人間太宰を描いてみたいと思った」
 三谷幸喜さん。「今まで太宰治はかっこよく描かれ過ぎているから、僕のイメージする本当の太宰、人間太宰を描いてみたいと思った」
 インタビューに答える三谷幸喜さん
 「おい、太宰」より
 「おい、太宰」より

 WOWOWのタイムスリップコメディー「おい、太宰」は三谷幸喜さんが脚本と監督を務め、“全編ワンシーンワンカット”で撮影されたドラマだ。三谷さんの真骨頂である軽快な会話劇が存分に楽しめると同時に、約100分間、一度も途切れることなく一つのカメラを回し続ける手法によって生まれる独特の没入感が味わえる。

 本作は三谷さんにとって3作目となるワンカットドラマ。演劇と映像作品の両面で活躍し続ける三谷さんに作品へのこだわりを聞くと、表現者としての自負が垣間見えた。(共同通信=木村直登)

 ▽僕らしかできないものを

 ―なぜワンシーンワンカットなのでしょう。

 「僕はもともと舞台の人間なので、映像作家として何かす...

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