広島県世羅町での肺炎死亡率低減を実証した広島大の服部登教授(左)と杉山文講師=広島市
 広島県世羅町での肺炎死亡率低減を実証した広島大の服部登教授(左)と杉山文講師=広島市
 広島県世羅町での肺炎死亡

 日本人の死因として肺炎は、別に分類されている誤嚥性肺炎と合わせると第4位となる。肺炎で亡くなる人が多い高齢者をいかに守るかは大きな課題だ。主要な原因である肺炎球菌の感染や重症化を防ぐワクチンは10年ほど前から高齢者を対象に、市町村が定期接種を行っている。広島大の研究チームは、広島県の山間地域の住民を対象にした接種事業で、肺炎の死亡率が大幅に減少したことを実証した。研究者は「高齢者が亡くなる原因の大きな部分を占める肺炎死亡の減少につながったのは有意義だ」と話す。

 ▽最大の要因

 成人の肺炎は細菌やウイルスなどで引き起こされる。原因が判明しているもののうち最大の要因は肺炎球菌で、全体の約2割を占め...

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