「水中の生き物は、今も謎が多い。それが太古の世界となるとさらに未知の領域で、大いに魅力を感じます」と話す中島保寿さん
 「水中の生き物は、今も謎が多い。それが太古の世界となるとさらに未知の領域で、大いに魅力を感じます」と話す中島保寿さん
 化石を電子顕微鏡で拡大する中島保寿さん
 化石を手にする中島保寿さん

 アンモナイトに三葉虫、人気のスピノサウルスまで日本にかつて生息した生き物を集めて、古生物水族館を作ったら…。紙上でそんな試みに挑戦したのは、東京都市大准教授で古生物学者の中島保寿さん。新刊「ジュラシック水族館へようこそ」(化学同人)の巻頭口絵では、カラーで再現された幻の生き物たちの姿を楽しむことができる。

 「化石が僕たちに突きつけてくる謎を、さまざまな情報を組み合わせながら解き明かす、わくわくする学問です」。太古に絶滅した生き物の研究というと、恐竜の化石を発掘して骨格を組み立て、その姿を復元するイメージだ。しかし当時は、その時代の気候に合った植生があり、昆虫や魚類などのさまざまな生き物が暮ら...

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