
名古屋工業大大学院教授の秀島栄三さん
25年前、国際協力機構の仕事でブラジルの首都ブラジリアにいた。各地へ行くため飛行機に乗ることが多かった。
ラテンの感覚だろうか、搭乗が始まると列ができずに乗客が思い思いにゲートに集まる。しかしベビーカーを見つけると誰もが親子の搭乗を優先させようとした。この雰囲気は欧米にもあったように記憶する。
最近はどこでも高齢者や障害者も含め航空会社が優先搭乗をアナウンスするが、日本では乳幼児は空港だけでなく街中でも邪魔者扱いされがちだ。しかしベビーカーを押す人が知り合いだと優しくする気がする。知人かどうかで扱いが違うのだ。
路上にごみを捨てる人も根本は同じだろう。知人が多くいる前では捨てない。知らない人...
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