育児に励んだ経験が遊具の研究に生きた。「逸脱や寄り道も必ず何かに結びつく。ポジティブに楽しむことが大事」と語る北村匡平さん
 育児に励んだ経験が遊具の研究に生きた。「逸脱や寄り道も必ず何かに結びつく。ポジティブに楽しむことが大事」と語る北村匡平さん
 育児に励んだ経験が遊具の研究に生きた。「逸脱や寄り道も必ず何かに結びつく。ポジティブに楽しむことが大事」と語る北村匡平さん
 「家出してカルト映画が観られるようになった」を刊行した北村匡平さん

 映画のスター像の変遷を社会的な背景と共に考察したり、映像表現を子細に分析したり。東京科学大准教授の北村匡平さんが扱う分野は幅広い。最近は公園の遊具に関する研究も始めた。「作品が作り手の意図を超え、どう受け手に経験されるか」に関心があるという。

 映画や音楽などの創作物は、作り手が何らかの意図をもって世に送り出す一方、受け手は予期しない形でそれを楽しむ。公園の遊具も、子どもたちが思いもよらない方法で遊ぶ点で似た部分がある。今は安全な管理が極端に重視される。そこに社会の価値観を見る。

 映画批評など著書は数多く、4月刊行のエッセー集「家出してカルト映画が観られるようになった」(書肆侃侃房)では研究者...

残り406文字(全文:706文字)