米カリフォルニア大のジョナサン・ゼア名誉教授(右)と並ぶ萩野恭子さん=2017年7月、神戸市(本人提供)
 米カリフォルニア大のジョナサン・ゼア名誉教授(右)と並ぶ萩野恭子さん=2017年7月、神戸市(本人提供)
 高性能の顕微鏡などを備えた萩野恭子さんの自宅(本人提供)
 2024年5月、高知市の海岸で海水を採取する萩野恭子さん(本人提供)

 ビゲロイの培養成功で萩野恭子さんの研究は急展開した。同じくビゲロイに注目する米カリフォルニア大のジョナサン・ゼア名誉教授から共同研究を提案されたのだ。

 ゼアさんは窒素固定に関わる細菌UCYN―Aを調べていたが、UCYN―A単独では生かし続けることも培養もできない。詳細な観察には萩野さんの手法によるビゲロイの培養が必須だった。

 2019年、共同研究が始まった。すると、ビゲロイが分裂する直前にUCYN―Aも分かれ、分裂で生まれた二つの娘細胞それぞれにUCYN―Aが受け継がれていることが判明。さらに、ビゲロイとUCYN―Aの代謝が連動していることや、UCYN―Aにビゲロイの細胞で合成されたタンパク...

残り246文字(全文:546文字)