
国立成育医療研究センターの松山琴音臨床研究センター長=東京都文京区
自分の病気に対してどんな薬が開発されているのかは、患者にとって大切な情報だ。ただ、知る手段は限られている。未承認の医薬品の広告は法律で原則禁じられているためだ。臨床試験(治験)の情報は例外だが、提供して良い範囲がはっきりせず情報へのアクセスは容易ではない。患者や専門家から改善を求める声が高まり、政府は規制の見直しに乗り出した。
▽薬機法
厚生労働省は、国の承認を受ける前の医薬品の広告を医薬品医療機器法(薬機法)で禁止している。一方で、2023年の通知では、有効性や安全性を確かめるために実施する治験の情報の提供は「広告に当たらない」とした。
ただ、予想した効果が治験で確認されない場合があり、承...
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