
日本とEUを巡る構図
日本と欧州連合(EU)が「競争力アライアンス(同盟)」を創設し、関係強化に動いた。関税を振りかざすトランプ米政権や、資源の輸出規制を武器に国際社会へ圧力を強める中国の攻勢が急接近を促した。世界経済を支える自由貿易への危機感は鮮明だが、連携には石破茂首相の退陣論が広がる日本の政治情勢が重荷となる。
▽崩れた前提
「トランプ政権下で保護主義が強まり、EUとの関係強化は重要性がより高まっている」。日本政府関係者は日EU定期首脳協議の背景を明かす。春には双方で合意の骨格を固め、練り上げてきた。
日本とEUは従来、米国との連携を最優先にしてきた。日本は主に中国や北朝鮮の、EUはロシアの脅威に直面する。...
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