
インタビューに答える生前の唐十郎さん=2010年9月
アングラ演劇を日本の文化として、世界に発信したい―。昨年死去した唐十郎の下で学び、現在は劇団・新宿梁山泊(りょうざんぱく)を率いる演出家・俳優の金守珍が、アングラの概念を塗り替える取り組みを続けている。今年6~10月にはアイドルグループ「SUPER EIGHT」の安田章大を主演に迎え、唐の初期作品「アリババ」と「愛の乞食」を独自の解釈で上演。国内で裾野を広げつつ、海外公演も視野に入れているという金に、唐十郎作品の魅力と、アングラ演劇の現在地を問うた。(共同通信=高田麻美)
▽唐作品の原点を掘り下げる
―今回、安田章大さんを起用した理由は。
「2023年に(唐十郎作)『少女都市からの呼び声』を...
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