
CART細胞療法について語る、順天堂大病院血液内科の安藤美樹教授=東京都文京区の順天堂大病院
血液がん患者自身から採取した免疫細胞を、がんに対する攻撃力を高めて体に戻し、治療する「CART(カーティー)細胞療法」が国内で実用化されてから6年がたった。実施件数は年ごとに増加して計約2千件に達し、再発した血液がんの新たな治療選択肢として確立したといえる。他の疾患への応用研究も進む現状を専門家に聞いた。
▽半数が5年生存
CART細胞療法は血液がんの悪性リンパ腫や急性リンパ性白血病、多発性骨髄腫の患者が対象。血液から免疫細胞である白血球を採取し、その遺伝子を改変して攻撃力の強い「改変T細胞」を作製。これを患者に戻すと改変T細胞は体内で増殖し、がん細胞を攻撃する。1回の投与で効果を発揮する。...
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