東京・市谷の防衛省=24日
 東京・市谷の防衛省=24日
 記者会見する吉田圭秀統合幕僚長=24日、防衛省
 2024年4月、東京都港区の米大使公邸で取材に応じるインド太平洋軍のアキリーノ司令官(在日米大使館提供)
 2024年10月、核ミサイル部隊を管轄するロケット軍の旅団基地を視察する中国の習近平国家主席(中央)(新華社=共同)
 2024年9月、中国軍が「微信(ウィーチャット)」の公式アカウントで公開した、打ち上げられたICBMの画像(共同)
 2019年10月、北京で行われた中国建国70年の軍事パレードに登場した、多弾頭型大陸間弾道ミサイル「東風41」(新華社=共同)
 日米演習での「核の脅し」の構図

 台湾有事を想定した日米の机上演習で、自衛隊は米軍に「核の脅し」をするよう迫り、米中間は一時高い緊張状態に陥った―。「核なき世界」という理想からはほど遠い、極限の事態を見据えたシミュレーションだ。中国が核戦力の増強を加速させ、米ロによる相互抑止の均衡が揺らぎつつある。日本は「拡大抑止」戦略への依存を強めるが、ある政府関係者は「核使用の責任を米とともに負えるのか」と指摘する。

 ▽衝撃

 「中国の核の脅しには米国も核の脅しで対抗を!」。昨年2月、東京・市谷の防衛省地下にある中央指揮所。同省制服組トップの吉田圭秀統合幕僚長が強い口調で、米インド太平洋軍のアキリーノ司令官(当時)に何度も迫った。アキリー...

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