
オンラインでインタビューに答える米カリフォルニア大バークリー校の村山斉教授=4日(共同)
トランプ米政権が進める大学や研究機関の大幅な予算削減が、世界をリードしてきた米国の研究力に影を落としている。これまでは潤沢な研究開発費が世界中の優秀な人材を引き寄せ、革新的な技術が生まれるという好循環が続いてきたが、状況は一変。将来のキャリアに不安を抱く在米の研究者は視線を海外に向けつつあり、国際的な争奪戦が始まっている。
▽目の敵
「63の補助金が停止」「1800万ドル(約26億円)の資金が喪失」。南部バージニア州の州立ジョージ・メイソン大が7月初旬、学部長らに送ったメールにはトランプ政権が進める研究費削減の実態がつづられていた。
直接的な研究費だけでなく、設備維持や実験用マウスの飼育など...
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