27日、カンボジア北西部シエムレアプの病院で治療を受ける負傷兵ら(共同)
 27日、カンボジア北西部シエムレアプの病院で治療を受ける負傷兵ら(共同)
 27日、カンボジア北西部シエムレアプの病院で負傷兵の治療に当たる看護師(共同)
 タイ、カンボジアの軍事衝突と停戦協議巡る各国の思惑

 軍事衝突を続けたタイとカンボジアが28日、停戦に合意した。トランプ米大統領の関税を絡めた仲介が事態を動かし、双方に影響力がある中国も存在感を発揮した。誤算の連鎖で被害が拡大した現状への危機感が、国境の領有権を巡る強硬論を抑え込んだ。

 ▽成功体験

 「まさかF16戦闘機が攻撃してくるとは」。前線の塹壕で25日に空爆を受けたカンボジア軍の負傷兵チア・トムさんは、北西部シエムレアプの病院で戦闘を振り返った。右肘に巻かれた包帯は血に染まり痛々しい。F16飛来の警告があったのは2分前で、対抗の準備はできなかった。

 負傷兵らは「戦車の砲撃と空爆がやまなかった」「1回攻撃すると10倍になって返ってきた」と、...

残り790文字(全文:1090文字)