福島第1原発3号機の原子炉圧力容器の下部で見つかった溶融核燃料(デブリ)の可能性が高い塊(左上)=2017年7月(国際廃炉研究開発機構提供)
 福島第1原発3号機の原子炉圧力容器の下部で見つかった溶融核燃料(デブリ)の可能性が高い塊(左上)=2017年7月(国際廃炉研究開発機構提供)
 第1原発デブリを巡る経過

 東京電力が2030年代初頭に着手を目指していた福島第1原発3号機での溶融核燃料(デブリ)の本格取り出しが、37年度以降にずれ込む見通しとなった。デブリ取り出しは「廃炉の本丸」とされるが、その前段にも多くの難題が立ちはだかり、なかなか切り込めない。東電は51年までの廃炉完了目標に拘泥するが、見直しは避けられそうにない。

 ▽困難

 「元々困難だと感じていた。検討を進めれば進めるほど、より深刻に分かってきた」。廃炉の技術支援を担う原子力損害賠償・廃炉等支援機構の更田豊志廃炉総括監は29日の記者会見で、51年までの廃炉完了目標の実現性について、包み隠さず語った。

 原子力規制委員会前委員長の更田氏は第1...

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