
記者会見する斎藤聡海上幕僚長=30日午後、防衛省
ゲーム機やドライヤー、ゴルフバッグ―。海上自衛隊の潜水艦修理契約を巡る特別防衛監察結果が公表され、大手防衛産業から乗員がさまざまな物品を受け取った実態が浮かんだ。原資となった裏金は約40年前から続く架空取引で捻出されたが、不正を認めた隊員は13人。癒着の全貌は見えず、海自内から「隊員が身内を調べる監察制度の限界を露呈しただけだ」と冷めた声が上がる。
▽証拠不足
「全てを明らかにできれば良かったが…。長年にわたっているので、証拠も残っていない。これが精いっぱい」。約1年に及ぶ調査を終えた防衛監察本部の担当者は、全容を解明できたのかどうかを問われると、力なく答えた。
昨年7月に始まった特別防衛監...
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