29日、ロンドンで演説するスターマー英首相(ゲッティ=共同)
 29日、ロンドンで演説するスターマー英首相(ゲッティ=共同)
 英国のスターマー首相(左)とフランスのマクロン大統領=10日、ロンドン(ロイター=共同)

 英国がパレスチナを国家承認する意向を表明した。パレスチナ自治区ガザの極限的な人道危機が、承認に慎重だったフランスに続き、欧州の主要国を動かした。ガザ攻撃の手を緩めず、パレスチナ国家樹立による「2国家共存」を拒絶するイスラエルのネタニヤフ政権への危機感が高まっていた。承認は象徴的な動きだが、英仏が実現すれば大きな転換点となる。

 ▽暗黙の了解

 「2国家解決の目標が危機にさらされている。今こそ行動の時だ」。スターマー英首相は29日の演説で、ガザで続く「苦しみを終わらせなければならない」と訴えた。訪英していたトランプ米大統領が英国を離れるタイミングでの発表だった。

 英国は以前から2国家共存を支持する...

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