
デブリ取り出し工法のイメージ
東京電力が福島第1原発廃炉の最難関とされる溶融核燃料(デブリ)の取り出しに絡み、9030億円もの特別損失を計上した。準備工事だけで12~15年を要する見込みで、事故から40年以内で廃炉を完了する目標からの遅れは必至。敷地で増える放射性廃棄物の処分など未解決の課題は多く、費用の上振れも指摘される。専門家は費用負担の在り方を抜本的に検討すべきだと指摘する。
▽道筋
「道筋が見えたから(金額を)見積もれた。廃炉が進んでいるということだ」。事故直後に匹敵する損失計上にもかかわらず、東電の山口裕之副社長は31日の記者会見で力説した。取引銀行の関係者は「今回の損失計上で(現金の流れを示す)キャッシュフロ...
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