
インタビューに答える安斎隆氏
SBI新生銀行が公的資金を完済した。前身の日本長期信用銀行は戦後の高度経済成長期に日本経済を支える役割を担ったが、バブル崩壊の影響で1998年に破綻。元号が平成から令和に変わるまで事態を打開できず「失われた30年」とされる日本経済の長期停滞の象徴的な存在となった。国に生かされながらも、示しきれなかった存在意義が今後、問われる。
▽連鎖の断ち切り
98年7月に開会した国会は長銀が抱える不良債権への対応が最大の争点となり「長銀国会」とも呼ばれた。97年に北海道拓殖銀行や山一証券が相次ぎ破綻。市場は「次はどこか」と疑心暗鬼に陥り、負の連鎖を断ち切るためには長銀の再建が欠かせない状況だった。
「もと...
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