
日銀本店で行われた金融政策決定会合。中央は植田総裁=7月31日午前(代表撮影)
日米の金融政策に政治が影を落としている。日銀は物価上昇が長引く中で利上げを模索するが、拡張財政を訴える野党の支持拡大を受けて市場で国債が売られ、長期金利が上昇。政府、与党内には日銀の利上げで景気が冷え込みかねないとして慎重論もちらつき始めた。米連邦準備制度理事会(FRB)は高関税政策によるインフレを懸念するが、トランプ大統領は利下げ圧力を強める。
▽歓迎
「大きな前進だ。(経済の)不確実性の低下につながる」。日銀の植田和男総裁は31日の記者会見で、日米関税交渉が妥結したことを歓迎。経済・物価情勢が日銀の予想通りに改善していけば、利上げに踏み切る姿勢を示した。
政府、与党内には、物価上昇率を2...
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