訓練する民主派武装組織「国民防衛隊」=2023年2月、ミャンマー東部カヤ州(ゲッティ=共同)
 訓練する民主派武装組織「国民防衛隊」=2023年2月、ミャンマー東部カヤ州(ゲッティ=共同)
 ミャンマー総選挙と米中の思惑

 ミャンマー軍事政権は総選挙実施で「民主化」の体裁を整え生き残りを図る。排除された民主派は「見せかけの選挙」と非難し、少数民族武装勢力は内戦を続ける。軍政への影響力を強める中国は一貫して選挙を支持。反軍政の旗頭だった米国も、ミャンマーのレアアース(希土類)を求め軍政との対話にかじを切るとの観測が浮上。情勢の鍵を握るのは米中だ。

 ▽支える中国

 「戦闘が続き市民は軍政の圧政に苦しんでいる。こんな選挙を世界は認めるべきではない」。最大都市ヤンゴン近郊の男性ミョーヘインさん(48)はそう訴えた。アウンサンスーチー氏が率いた民主派政党「国民民主連盟(NLD)」が排除された選挙では、民意が正しく反映される...

残り821文字(全文:1121文字)