メークを施し、男性を「女性へと変身」させる山田はるか。「画家のような気持ちで、相手のかわいさを引き出す」と話す=2025年6月、東京都内(撮影・林昌三)
 メークを施し、男性を「女性へと変身」させる山田はるか。「画家のような気持ちで、相手のかわいさを引き出す」と話す=2025年6月、東京都内(撮影・林昌三)
 雑然としたメーク室で作業する山田はるか=2025年6月、東京都内(撮影・林昌三)
 山田はるかのメーク道具=2025年6月、東京都内(撮影・林昌三)
 メークの仕上がりを喜ぶ山田はるかと「女性に変身」した男性=2025年6月、東京都内(撮影・林昌三)
 山田さん年表
 タイトルカット

 雑然とした部屋にある化粧台には、ケースに収められたメークブラシが何十本と置かれていた。「目の下の涙袋は、こんな感じでいいかな」。ブラシを手にした山田(やまだ)はるか(39)が話しかける。鏡の前で笑みを浮かべたのは、山田によって「女性に変身」した男性だ。「かわいくなると、自分にスイッチが入る」

 ファンデーションを塗り、つけまつげを付けて、アイラインを整える。2時間ほどかけて、一連のメークを終えた。

 「女性の顔は繊細で、少しのメークで表情が大きく変わるけれど、男性だとそうはいかない。骨格も違うので、女性の顔にするには錯覚をつくり出す必要がある」。そうした作業は「変身」の過程でもある。山田がその現...

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