SFTSウイルスを媒介するマダニの一種「フタトゲチマダニ」(岡林環樹宮崎大教授提供)
 SFTSウイルスを媒介するマダニの一種「フタトゲチマダニ」(岡林環樹宮崎大教授提供)
 目の下などにマダニが付着し、衰弱したペットの猫(岡林環樹宮崎大教授提供)

 急速に患者が増えているマダニを介したウイルス感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」。直接マダニに刺されるだけでなく、感染したペットからうつったり、野生動物がマダニの卵や幼虫を運んだ結果、元々マダニがいた場所とは離れた場所で感染したりするケースも。専門家は「感染地域はじわじわ広がっている。もはや全国どこでも注意が必要だ」と警鐘を鳴らす。

 ▽西日本から関東へ

 厚生労働省は2013年、山口県の成人女性が感染し死亡していたと発表。国内初確認の事例だった。以降、西日本を中心に患者が報告されていたが、近年は中部や関東地方でも発生するようになっている。

 マダニの一生は「幼ダニ」「若ダニ」「成ダニ」...

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