避難所で食事や水の配給が未定であることを知らせる掲示板=2024年1月2日、石川県輪島市
 避難所で食事や水の配給が未定であることを知らせる掲示板=2024年1月2日、石川県輪島市
 石川県穴水町の避難所で暖を取る人たち=2024年1月8日

 能登半島地震は帰省客の多い元日に発生し、被災者が避難所に殺到した。食料や防寒具などの物資だけでなく、運営に当たる自治体の職員も不足。石川県の初動対応を検証した第三者委員会の報告書は避難所の不備を認め、県の主体的な取り組みや被災市町との連携を求める。大規模災害は全国で発生する恐れがあり識者は「自分ごととして備え今回の教訓を生かすべきだ」と呼びかける。

 ▽物資不足

 雪を溶かし、沸かして飲んだ。食料が少なく、毎食小さなおにぎり1個。夜は段ボールを敷いただけの冷たい床で雑魚寝を強いられた―。

 塩作り職人の船本則充さん(66)が過ごした輪島市の廃校では教室ごとに約20人が寝泊まりし、そばの体育館も含め...

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