
福島県双葉町の町営住宅(手前)。中央はJR双葉駅=2月
2022年、東京電力福島第1原発事故の被災自治体の中で最後に住民の帰還が始まった福島県双葉町。県による避難者向け仮設住宅の無償提供終了まで残り半年余りとなっても、町の住宅整備が進んでいない。「ついのすみか」が見つからない避難者は、「まるで棄民だ」と将来への不安を募らせる。支援団体は高齢者の住宅探しの難しさを指摘する。
▽5年が限界
「古里を追われ、また家を追われる。なぜこのタイミングで打ち切りなのか」。双葉町から約200キロ離れた埼玉県加須市の「みなし仮設」に一人で暮らす菅本章二さん(69)は嘆いた。
2011年の東日本大震災で、母と自宅にいた菅本さんは津波にのまれた。救出された後は避難先を...
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