
透析中の磯崎義光さん=9日、神奈川県開成町
痛みやつらさを和らげる緩和ケアは、がんに対しては浸透しているが、腎不全は置き去りにされてきた。透析を続ける患者からは「がん以外は差別されてきたのではないか」と悲痛な声も漏れる。腎不全患者への緩和ケア普及に向け、日本透析医学会など3学会が医療従事者向けのガイダンスを作成した。専門家はこれを機に、さまざまな病気の緩和ケアに光が当たることを願う。
▽尿毒症
「苦しい思いはしないと思っていた」。神奈川県開成町の高台病院で治療を受ける磯崎義光さん(76)=同県小田原市=は、透析を続けられなくなった後に、緩和ケアを十分に受けられない恐れがあると知り、驚いたという。
子ども時代に交通事故で脊髄を損傷。その...
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