北京の天安門前に設置されている監視カメラ。奥は毛沢東の肖像画=4月(共同)
 北京の天安門前に設置されている監視カメラ。奥は毛沢東の肖像画=4月(共同)
 2025年の中国での投資額に関する企業アンケート

 いつスパイと決めつけられるか分からない―。日系企業の中国駐在員や出張者に不安が広がっている。景気減速による閉塞感を背景に反日感情にも火が付きやすく、先行きを楽観できる材料が乏しいことから投資は停滞気味。「世界の工場」であり、巨大マーケットでもある中国は日本経済にとって欠かせない存在だが、対中ビジネスは岐路に立たされている。中国高官による異例の「警告」は、日本の企業活動のプラス材料にはなり得ない。

 ▽最悪シナリオ

 中国で事業を展開する大手製造業の関係者によると、最近では出張者が突然、中国当局に拘束される最悪のシナリオを想定し対応をシミュレーションしているという。問題は「スパイ行為」の基準が不透...

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