イラスト=デジタル・グラフィックスセンター 高橋佐紀

 小学校低学年頃までのきょうだいは、ささいなことでけんかすることがあります。保護者はどう接したらいいのか、発達心理学の専門家に聞きました。

Q どうしてけんかをしてしまうのでしょうか。

A 幼児期〜小学校低学年頃は、相手の気持ちをくみ取り自分の感情をコントロールするのがまだ上手ではなく、けんかになりやすいです。家では安心しているからこそ甘えや主張が強く出たり、学校など外でイライラしたことを発散したりする場合もあります。

Q けんかはしない方がいいのでしょうか。

A 発達の過程できょうだいげんかは起きるものと思っていいでしょう。けんかは他者とのコミュニケーションや、自分の中の「こうしたいのにできない」という葛藤を調整することを学ぶ機会でもあります。

Q 放っておいてもいいのですか。

A けがをするような危ないことや、人の尊厳を傷つける言葉以外は、見守っていいと思います。「けんかはしても手は出さない、人を傷つける言葉は言わない」とルールを決めておくのもいいでしょう。

Q きょうだいげんかの際、保護者が気をつけた方がいいことはありますか。

A 「お兄ちゃんなんだから我慢しなさい」など、努力ではどうにもならないことを理由に叱ったり、ジャッジしたりすることは、不満が残り、解決にならないのでやめましょう。

Q どう接するのがいいですか。

A 中立で、両方の味方でいるといいでしょう。行為の善しあしではなく、「けんかして嫌だったんだね」と気持ちを受け止めることが大切です。それで安心感や自己肯定感が生まれます。「そろそろやめておやつにしない?」などと気持ちの切り替えを促すことや、けんかをやめられたら褒めるのもいいことです。

(新潟県立大の角張慶子准教授に聞きました)

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