
高級ブランド店が軒を連ねる東京有数のおしゃれスポット、表参道。12月1日からイルミネーションが点灯され、街はますます華やいでいる。
点灯会場のすぐ近くにあるのが、新潟県のアンテナショップ「表参道・新潟館ネスパス」だ。1997年6月、県やニューにいがた振興機構(現在のにいがた産業創造機構=NICO)などが首都圏に向けての情報発信基地としてオープンした。
地上3階、地下1階のビルで、当時の新潟日報には、平山征夫県知事(当時)をはじめ、新発田市出身の俳優三田村邦彦さん、長岡市出身の俳優星野知子さんらも駆けつけ、華やかに幕を開けた様子が報じられた。

その後、何度かリニューアルをしながら、飲食店舗、特産品販売、イベント、観光案内、移住や仕事相談と、あらゆる要素を整えていった。まさに建物が「丸ごと新潟県」だ。
「ネスパス」は首都圏在住の新潟県人に親しまれ、特に「ゆのたに」(新潟県魚沼市)が運営する1階の物販店舗「新潟・食楽園」で県産品を購入している人は少なくない。
また、開業当時から営業している「にいがたの味 静香庵」は新潟グランドホテル(新潟市中央区)が運営。上質な和食が好評で、以前「おとなプラス」特集で、支配人・料理長の山田哲也さん=新潟市出身=に「のっぺ」の作り方を取材したこともあった。
県内自治体とのコラボイベントも頻繁に行われ、大いににぎわった。新型ウイルス禍に襲われながらも、最近は回復基調にあった。
だが、建物の老朽化などに伴い、12月25日での閉館が決定した。都内の銀座に移転する予定だとはいえ、長年ネスパスに親しんできた在京県人や利用者には激震が走った。

開館から26年、新潟県関係者をはじめ、さまざまな立場の人がネスパスの運営に携わってきた。残りわずかの期間、笑顔を絶やさず全力で業務を続ける人たちもいる。
過去の写真とともに振り返り、関係者の思いを聞いた。...