
笹川太郎さんが新潟空港で撮影したロッキード「コンステレーション スターライナー」。その後に三条市へ運ばれレストランになった=1973年1月、新潟市(現東区)
古くから川を利用した舟運が盛んで、近現代には鉄道や幹線道路が整備された新潟県の県央地域では、交通に関連のあるエピソードは多い。ものづくりを究める職人の街だからか、趣味にこだわり乗り物に関するグッズを収集する人も見られる。一方、時代の流れの中で、人々の記憶から薄れていってしまうものもある。県央と乗り物のゆかりを追ってみたい。
三条市大島の国道8号沿いに50年ほど前、本物の航空機を使用したレストランがあった。航空ファンに人気のあるクラシック機で、現在もファンの間ではインターネットなどで「直前まで飛行可能だった状態で日本で展示されたのは貴重」と価値が語り継がれている。このレストランについて新潟日報社が取材を進めたところ、当時の写真の提供も得られた。
さまざまな分野で歴史などを紹介する冊子「新潟ハイカラ文庫」を主宰する笹川太郎さん(77)=新潟市中央区=によると、三条に飛行機レストランが開業したのは1973年。国道と中ノ口川の間の場所で営業していた。店名は「エア・ポート ロッキード」だったという。
航空機は本物で、米国ロッキード社製プロペラ旅客機「コンステレーション」ファミリーの機体を使用。72年12月に新潟空港に機体が到着し、一度解体して三条の敷地で組み立て直し、73年8月にレストランとして開業した。航空機に興味があった笹川さんは当時、新潟空港に駐機中の機体を撮影した。

2012年発刊の新潟ハイカラ文庫16号で新潟空港をテーマに執筆するに当たり、笹川さんが詳しく調べたところ、...
残り704文字(全文:1350文字)