
ミャンマー中部で3月28日に大地震が発生した。新潟県内に住むミャンマー出身者や、ゆかりのある関係者も不安を募らせている。
燕市で製造業に従事する女性(25)は、現地が停電のため、交流サイト(SNS)が使えず、29日午後になっても家族と連絡が取れない状態だった。「両親の声を聞きたい」と不安そうな顔を見せる。
震源のミャンマー中部・マンダレーから約100キロの距離にあるミンチャン出身。1年前に来日した。ふだんはSNSで毎日、家族と通信しており、地震のあった28日の昼にも連絡を取り合った。
午後の仕事を終えて地震が起きたことを知り、「びっくりした」。ミャンマーでは大地震は少ないといい、連絡が付かない両親と弟2人を心配する。「(震源から)距離があるし、大丈夫そうだけど、連絡を取りたい」と繰り返した。
現地の様子をSNSの投稿で調べているが、ミャンマーは石造りの建物が多く、空港や小学校が崩れ、捜索が行われている。歴史のある文化遺産の寺院なども塔が倒れたという。
別の技能実習生は「晩ご飯も食べられず、夜も眠れなかった」と打ち明けた。
技能実習生らの受け入れや生活支援を行っている県ミャンマー人支援協会(燕市)の本間健矢副代表理事(28)は「ミャンマー人が50人近く入っているライングループにメッセージを送ったが、みんな家族の安否が確認できていなかった」と心配していた。
医療関係者も心配を募らせる。四半世紀近くミャンマーの医療支援を続けている新潟大名誉教授の医師、内藤眞さん(77)は「4年前のクーデター以降、医療従事者が激減して医療は崩壊状態となっているところに大地震が起きた。心配だ」と声を落とす。
最大都市ヤンゴンにいる知人の無事は確認できたが、震源に近いマンダレーの状況は不明だという。「道路の寸断も起きているのではないか。海外ボランティアが入れるかどうかで救助のあり方は変わってくる」と指摘する。
ミャンマーで...