6月9日、ウクライナ北部チェルニヒウ州で、捕虜交換後に帰還したウクライナ軍の兵士ら(ウクライナ大統領府提供・AP=共同)
 6月9日、ウクライナ北部チェルニヒウ州で、捕虜交換後に帰還したウクライナ軍の兵士ら(ウクライナ大統領府提供・AP=共同)
 5月16日、ロシアとの直接交渉に臨んだウクライナ代表団=トルコ・イスタンブール(タス=共同)
 ウクライナとの直接交渉の後、記者団に話すロシア代表団を率いるメジンスキー大統領補佐官(右)=6月2日、トルコ・イスタンブール(タス=共同)
 5月19日、トランプ大統領との電話会談後、記者団に説明するプーチン・ロシア大統領(ゲッティ=共同)
 都内で取材に答える畔蒜泰助氏(共同)

 ウクライナ戦争和平に向けトルコ・イスタンブールで5、6月に行われたロシア・ウクライナの直接交渉は大きな成果なく終わった。交渉の障害となったのは何か、仲介に意欲を見せた米国とロシアの思惑は、今後の停戦の見通しは―。ロシアの安保問題に詳しい畔蒜泰助・笹川平和財団上席研究員に聞いた。(共同通信=太田清)

▽主導権

 ―3年ぶりとなるロシアとウクライナの直接交渉実現の背景は。

 「両国の仲介に意欲を見せるトランプ米大統領は3月、まずウクライナに30日間の無条件停戦を提案。ウクライナ側は凍結されていた兵器やインテリジェンス情報の供与再開と引き換えにこれに応じた。その後、トランプ大統領はプーチン・ロシア大統領...

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