
野中尚人・学習院大教授
石破茂首相が辞意を表明した。自民党総裁選前倒しの意見集約をする直前の決断で、50日に及んだ政争の果てに参院選大敗の責任を取る。表明の背景や、総裁選を含めた今後の展望と課題について識者が論じた。
◇ ◇
石破茂首相が辞任の意向を表明した最大の理由は、自民党総裁選を前倒しするかどうかを決める意向調査で賛成派が過半数を上回る見通しになったからだ。調査を実施すれば、首相への事実上の辞職勧告になったばかりか党分断が加速した。それを回避するために、調査前日の7日に身を引くことにしたのだろう。
振り返れば、衆院選で自民は連立相手の公明党と合わせても過半数を大きく割り込み、東京都議選も惨敗。参院選も...
残り1092文字(全文:1392文字)