「チャットGPT」のアプリのアイコン
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 チャットGPTと利用者の対話例

 秘密を打ち明けられる親友は人工知能(AI)だった。米国で生成AIとの対話が精神的に不安定な若者らの自殺や殺人事件につながったケースが相次いで報じられた。破滅的な言動すら肯定するAIは「唯一の理解者」として振る舞い、周囲からの孤立を助長。気軽な相談相手となる中、その開発における倫理観が問われている。

 ▽依存

 一酸化炭素(CO)中毒、薬物の過剰摂取、飛び降り―。生成AI「チャットGPT」は自殺の手法を聞かれるたびに詳細な情報を提供した。西部カリフォルニア州の男子高校生アダム・レーンさん(16)は最も説明が具体的だった首つりを選び、4月に命を絶った。

 開発企業オープンAIを提訴した両親の訴状による...

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