「ナパーム弾の少女」の写真と、自身と生まれたばかりの長男を撮影した写真を組み合わせたはがきを手にするキム・フックさん
 「ナパーム弾の少女」の写真と、自身と生まれたばかりの長男を撮影した写真を組み合わせたはがきを手にするキム・フックさん
 1972年6月8日、ベトナム戦争でナパーム弾攻撃後、道路に走り出た当時9歳のキム・フックさん(中央)(AP=共同)
 インタビューに応じるキム・フックさん=2月、カナダ・トロント郊外
 インタビューに応じるキム・フックさん=2月、カナダ・トロント郊外
 ベトナム戦争終結50年を迎えたベトナム南部ホーチミンの式典会場=4月30日(共同)

 終戦50年を迎えたベトナム戦争では当時、1枚の写真が世界に衝撃を与えた。ナパーム弾で服が燃えて大やけどを負い、泣きながら走る裸の少女。「ナパーム弾の少女」と呼ばれたファン・ティ・キム・フックさんをとらえた写真は、戦争に対する見方にも影響を与えた。

 キム・フックさんは、爆撃では一命を取り留めた。だがその後、この写真のせいで人生を翻弄されることになる。「死んだ方がましだった」。自暴自棄になる中、自分を支えるきっかけになったのは、とある出会いだった。

 改宗、亡命、出産…。人生は再び大きく動いた。62歳のいま、写真についてこう思う。「戦争の恐怖と、醜い現実を伝える意義がある」(共同通信ニューヨーク支...

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