
元裁判員の田口真義さん
この時期に死刑を執行したことには、3年間の空白期間をつくりたくないという、政府の強い意思を感じます。世論調査で死刑制度が支持されているという認識を踏まえ、執行のないことが常態化するのを避けたかったのでしょう。しかし、十分な情報公開がないまま死刑が続いている状況に、変わりはありません。
2014年と2024年に、裁判員経験者の有志で、死刑の執行停止を求める法相宛ての要請書を提出しました。死刑制度への反対が目的ではなく、死刑について十分な理解がないまま裁判員が評議に臨んでいるのはおかしいとの思いからでした。
裁判員経験者と交流する中で分かったのは、裁判官ですら死刑に関する実情をあまり知らずに、量...
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