夏季ダボス会議の会場で説明する、世界経済フォーラムのジェレミー・ユルゲンス常務取締役(中央)=6月、中国天津市(共同)
 夏季ダボス会議の会場で説明する、世界経済フォーラムのジェレミー・ユルゲンス常務取締役(中央)=6月、中国天津市(共同)
 浸透圧発電のイメージ
 デンマークのベンチャー企業ソルトパワーが運用している浸透圧発電の装置(東洋紡エムシー提供)

 海水と淡水の塩分濃度の違いが電気を生み出す―。深刻な気候変動に対処するため化石燃料からの転換を迫られる中、濃度が異なる液体同士で働く現象を利用した「浸透圧発電」が注目されている。二酸化炭素(CO2)を出さない上、太陽光や風力と違い天候や時間に左右されない。福岡市では世界で2例目、国内初の発電施設が本年度内に稼働を始める。

 「クリーンで環境への影響が小さく、安定したエネルギー源だ」。こう強調するのは世界経済フォーラムのジェレミー・ユルゲンス常務取締役。浸透圧発電は6月、中国天津市で開かれた「夏季ダボス会議」で、5年以内に社会に利益をもたらし得る技術の一つとして紹介された。

 発電の肝は浸透圧。水...

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