40回目の旅で、北海道中部など約990キロを走った多田羅等さん(右)と小学生=2017年8月、北海道富良野市の麓郷展望台
 40回目の旅で、北海道中部など約990キロを走った多田羅等さん(右)と小学生=2017年8月、北海道富良野市の麓郷展望台
 46回目の旅で九州北部を回り、平戸大橋を渡る子どもたち=2023年8月、長崎県平戸市
 29回目の旅で、沖縄県の離島を回った子どもたち=2006年8月、沖縄県・石垣島
 47回目の旅で、沖縄県の離島に向けて自宅を出発する多田羅等さん(右端)=2024年7月、大阪府東大阪市

 50年前から毎年夏、児童たちと自転車で約千キロを旅する小学校の元先生がいる。大阪府の多田羅等さん(80)だ。この8月も20日間かけて富士山麓などを走り抜く。

 「今回は山梨や長野の山岳地帯を越える厳しいルート。寄る年波を前に挑戦するなら今しかありません」と、多田羅さんは意気込む。48回目となる今年は大阪府と東京都の小学生計5人が参加。大阪からフェリーで東京に渡り、中部地方などを回る約1010キロだ。

 香川県出身の多田羅さんは大学を卒業後、大阪府東大阪市の小学校に赴任。30歳だった1975年、「夏休みにしかできないことを」と、自転車旅行を考えついた。担任のクラスの子ら3人と、フェリーに自転車を積...

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