1日、国連改革に関する会合で発言するグテレス事務総長=米ニューヨークの国連本部(国連提供、共同)
 1日、国連改革に関する会合で発言するグテレス事務総長=米ニューヨークの国連本部(国連提供、共同)
 国連機構図

 第2次大戦後の80年間、多国間協調を体現してきた国連が、二つの改革の議論を進めている。肥大化が指摘される組織のスリム化と、機能不全に陥っている安全保障理事会の改革だ。逆風にさらされるグテレス事務総長は組織改革を進め、停滞する安保理改革の進展につなげたい考え。トランプ米政権による自国第一主義の旋風が吹く中、国際協調の再建につなげられるか注目される。

 ▽時代遅れ

 国連は第2次大戦を防げなかった反省から戦勝国が主導して創設し、1945年10月に51カ国でスタート。日本も56年に加盟し、現在は193カ国まで拡大した。国際社会の調整や途上国への人道支援の主体となり、専門機関や下部機関などを次々設置。「...

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