
2012年8月、ロンドン五輪の女子800メートル予選で走るキャスター・セメンヤ(右)=ロンドン五輪スタジアム(共同)
世界陸連が7月30日に「女子種目の保護」のため遺伝子検査を実施すると発表した。9月の世界選手権東京大会などで、女子種目出場の全選手に義務化し、男性の特徴の発達に関わる、Y染色体上の「SRY遺伝子」の有無を調べる。過去に一度は廃止した検査を再導入する陸上界の判断は、スポーツの公平性や選手の人権を巡り、大きな議論を巻き起こしそうだ。
▽グレーゾーン
近年、スポーツの女子種目ではトランスジェンダー選手の参加や、身体の性の発達が典型的でない「性分化疾患」の選手を巡る騒動が相次ぎ、男子と女子という従来の枠組みが揺さぶられている。
昨夏のパリ五輪のボクシング女子では、前年世界選手権の性別適格検査で不合格...
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