ジャクソンホール会合の会場で談笑するFRBのパウエル議長(右端)、日銀の植田総裁(右から2人目)ら=22日、米ワイオミング州(共同)
 ジャクソンホール会合の会場で談笑するFRBのパウエル議長(右端)、日銀の植田総裁(右から2人目)ら=22日、米ワイオミング州(共同)
 米失業率と物価上昇率の推移

 米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は22日、政策金利引き下げの可能性を示唆した。ただ発言は、利下げに強く踏み込んだとは言えず、金融政策は難局にあることをにじませた。背景には、雇用情勢の悪化とインフレ長期化の二つのリスクが併存していることがある。大幅利下げを求めるトランプ大統領が圧力を強める中、今後発表の経済統計が鍵を握ることになる。

 ▽敏感

 「急激な解雇の増加や失業率の上昇が起きる恐れがある」。ジャクソンホール会合で、パウエル氏は雇用情勢の悪化リスクを強調した。

 雇用への警戒を強めたのは、8月に発表された雇用統計のためだ。7月の非農業部門の就業者数は前月比7万3千人増と予想を下回り...

残り814文字(全文:1114文字)