福島県双葉町の中間貯蔵施設。奥は東京電力福島第1原発=2月
 福島県双葉町の中間貯蔵施設。奥は東京電力福島第1原発=2月
 福島県大熊町の中間貯蔵施設。奥は東京電力福島第1原発=2月
 福島・中間貯蔵施設

 東京電力福島第1原発事故による除染土などの県外最終処分は、原発の廃炉と並んで福島の復興に欠かせない最重要課題だ。中間貯蔵施設(大熊町、双葉町)への搬入開始から10年を超え、政府はようやく工程表をまとめたが内容は新味に乏しい。法律で決められた2045年までの最終処分に向けた課題は多く、地元からは「残された時間は多くはない」「国民的議論を」と懸念の声が上がった。

 ▽先延ばし

 「一番難しいのは最終処分場選定。なぜ今から始めないのか」。大熊町の中間貯蔵施設内に土地を持ち、地権者会の会長も務める門馬好春さん(68)=東京都=は、政府の対応の遅さに憤る。

 これまで選定を急ぐよう求めてきたが、なしのつぶて...

残り866文字(全文:1166文字)