裁判所に入る、黎智英氏を乗せたとみられる車両=27日、香港(共同)
 裁判所に入る、黎智英氏を乗せたとみられる車両=27日、香港(共同)
 黎智英氏
 蘋果日報(リンゴ日報)を巡る経過

 香港国家安全維持法(国安法)違反罪に問われた民主派香港紙、蘋果日報(リンゴ日報=廃刊)創業者、黎智英氏(77)の公判が大詰めを迎えている。中国による統制強化と民主化後退を象徴する裁判。法の原則が軽視され、検察側の強引な論法が目立つ。法廷で徹底抗戦を続けるのは黎氏だけ。身柄拘束は4年半以上に及び、健康状態も懸念されている。

 ▽施行前の訪米

 香港の高等法院(高裁)。8月中旬、最終弁論が始まった。国安法の「外国勢力との結託による国家安全危害共謀」の罪などの起訴内容を巡り、弁護側と検察側が論戦を繰り広げている。黎氏を除く6人は罪を認めた。

 国安法は2020年6月の施行だが、黎氏らは19年に訪米して米...

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