1月に実施された原子力防災訓練=新潟県南魚沼市
 1月に実施された原子力防災訓練=新潟県南魚沼市

 政府は原発再稼働を後押しするため、財政支援の対象自治体を拡大する方針だ。事故時の避難道路整備など負担が重くのしかかり、制度の見直しを求めていた原発周辺の自治体からは一定の評価の声も。拡大の背景には東京電力柏崎刈羽原発が立地する新潟県の強い要望があり、再稼働を急ぐ政府を動かした格好だ。

 ▽不公平感

 「発電した電力は首都圏で売られ、(地元の)住民感情としてはリスクを引き受ける不公平感があると思う」。5月、政府に要望書を手渡した新潟県の花角英世知事は現状への不満を吐露した。

 東電福島第1原発事故後、避難計画策定が求められるのは従来の原発10キロ圏から30キロ圏に拡大した。しかし事故前からある交付金...

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