2024年9月、運搬船から運び出される、東京電力柏崎刈羽原発の使用済み核燃料を入れた容器(中央)=青森県むつ市
 2024年9月、運搬船から運び出される、東京電力柏崎刈羽原発の使用済み核燃料を入れた容器(中央)=青森県むつ市
 2024年9月、運搬船から運び出される、東京電力柏崎刈羽原発の使用済み核燃料を入れた容器=青森県むつ市

 山口県上関町での使用済み核燃料中間貯蔵施設建設が現実味を帯び始めた。中国電力との共同運営を目指す関西電力は、福井県内にある原発で燃料がたまり、運転停止がちらつく。全国の原発でも保管容量の上限が近づき、電力各社は搬出先確保に躍起になる。背景には、国策の核燃料サイクルの行き詰まりがある。

 ▽約束

 「2030年ごろの中間貯蔵施設の操業開始という約束を守れるように全力を挙げる」。関電の水田仁原子力事業本部長は29日、福井県幹部との面会後、記者団の取材に答えた。

 関電は県内にある美浜、大飯、高浜の3原発7基が再稼働。使用済み燃料が増えた結果、保管する原発内プールの容量の82~90%に達する。県は燃料の...

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