高知県四万十町興津地区にある避難タワー=8月
 高知県四万十町興津地区にある避難タワー=8月
 三重県紀宝町の役場庁舎(左)と防災拠点施設=7月
 高知県四万十町のデイサービスセンター「さくら貝」の西村知絵さん=8月
 「津波注意」のボードなどが設置されている高知県四万十町興津地区の海岸=8月
 南海トラフ地震臨時情報の流れ

 昨年8月、初めて発表された南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)に、多くの地域がどう対応すべきか悩んだ。戸惑いの経験を糧に、地域防災計画に手順や詳細を明記、備えを進めている自治体もある。民間も対策を整備、被害軽減に向けて模索を続けている。

 ▽時系列

 災害対策に熱心な姿勢で知られる三重県紀宝町。そんな先進自治体でも昨年8月、臨時情報に初めて接した際は「何をしたらいいか分からず、その場しのぎになってしまった」。防災対策課の榎本匡伸主任は振り返る。

 紀宝町は、行政が災害時にとるべき行動を時系列で決めておく「タイムライン」を台風や水害などで活用してきた。現在、その「臨時情報版」作成を進めている。

 臨...

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